広告
簿記1級|連結会計で差がつく!投資と資本の相殺、非支配株主持分、アップストリーム完全攻略
簿記1級の連結会計で毎回のように出題されるテーマがこちら:
- 投資と資本の相殺消去
- 非支配株主持分の計算
- アップストリーム取引(子→親)
特にアップストリームの「非支配株主の取り分修正」は毎年の落とし穴。
本記事では、試験本番で“秒で判断できる”ように整理しました。
① 投資と資本の相殺消去|まずは100%かどうか判定
連結では、親会社の「投資」と子会社の「資本」をゼロにする必要があります。
■ 100%子会社の場合(のれんあり)
(借)資本金 XXX (借)利益剰余金 XXX (借)のれん XXX (貸)子会社株式 XXX
■ 非支配株主持分あり(例:80%取得)
(借)資本金 XXX (借)利益剰余金 XXX (借)のれん XXX (貸)子会社株式 XXX (貸)非支配株主持分 XXX
ポイント:取得時は時価ベースで統一。
② 非支配株主持分|取り分で全てが決まる
連結P/Lでは、子会社の利益を一旦全額取り込む。
その後、非支配株主の取り分を控除する仕組みです。
■ 正しい!非支配株主への当期損益配分(通常)
(借)非支配株主に帰属する当期純利益 XXX (貸)非支配株主持分 XXX
ポイント:
・非支配株主持分は純資産(貸方)
・利益配分は貸方に加算されるためこの形になる。
③ アップストリーム(子→親)|簿記1級最大の落とし穴
アップストリームとは、子会社が親会社に販売する取引。
ここで発生した未実現利益は子会社側の利益修正となるため、
非支配株主の取り分も修正(減額)する必要がある。
■ 未実現利益の基本調整仕訳
(借)売上総利益 XXX (貸)棚卸資産 XXX
■ 非支配株主取り分の修正(アップストリーム時)
(借)非支配株主持分 XXX (貸)非支配株主に帰属する当期純利益 XXX
※ 子会社の利益が減る → 非支配株主の取り分も減らす。
④ ダウン/アップの違い(3秒で判断)
| 種類 | 方向 | 未実現利益による利益修正 | 非支配株主への影響 |
|---|---|---|---|
| ダウンストリーム | 親 → 子 | 親会社の利益を修正 | 影響なし |
| アップストリーム | 子 → 親 | 子会社の利益を修正 | 影響あり(取り分減額) |
⑤ 試験本番で迷わない“秒判断フロー”
- アップ?ダウン?をまず判定
- アップなら非支配株主の取り分も修正
- 未実現利益は棚卸資産と売上総利益で調整
- 相殺消去は取得時の純資産と比較
まとめ|方向と取り分さえわかれば連結は勝てる
簿記1級の連結会計は範囲が広く一見複雑ですが、
・アップストリームは非支配株主に影響
・ダウンストリームは影響なし
この2つを理解するだけで得点効率が一気に上がります。
ぜひこの記事を試験直前の“総まとめ”として活用してください!